骨髄異形成症候群は健康診断などの血液検査で見つかることがあり、貧血や息切れ、動悸、血が止まりにくいなどの兆候が出るのですがほとんど自覚症状が見られず、急性骨髄性白血病につながります。
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骨髄異形成症候群は、MDSと表され骨髄機能の異常による前白血病状態となり造血障害を起こす症候群です。
造血幹細胞の前腫瘍細胞である異型クローンが骨髄に生じ、正常幹細胞を凌駕して増殖するため正常の造血が抑制されます。
異常クローンが骨髄を占拠し、骨髄は過形成になり、アポトーシスが亢進しているので血球減少が起こり、異常クローンの遺伝子にさらに傷がつきアポトーシス耐性を獲得するクローンができ急性骨髄性白血病になるメカニズムからMDSを前白血病状態と呼ばれています。
工場で血液細胞をつくるのに異常が起きた病気が骨髄異形成症候群ということですが、3種類の生産ラインの白血球、赤血球、血小板のうちの一部に異常が起きるのではなく、工場において3種類の血液細胞のおおもとになる、「種の細胞」である造血幹細胞の調子が悪くなってしまう病気で、生産ラインすべての細胞に、大なり小なりの異常が生じ、血液細胞の異常は異型性と呼ばれる異常だけでなく機能の異常も含まれます。
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骨髄異形成症候群の発症は女性よりも男性が多く、年齢別では50歳以上の高齢者に多く認められ現在骨髄異形成症候群は特定疾患に制定されています。
日本を含むアジア地域では、欧米に比べて40-50歳代の比較的若年発症の患者さんが多いことが知られています。
骨髄異形成症候群を起こす環境因子や遺伝背景などの原因が不明なのですが、放射線治療や抗がん剤治療を受けられた人は、骨髄異形成症候群を発症する危険が高まることが知られています。
骨髄異形成症候群の約半数で染色体異常が見られ、先天性染色体異常のファンコーニ貧血の患者が、骨髄異形成症候群を高頻度で発症していることから、何らかの形で遺伝子変異が関わっていると考えられていますが、染色体異常が認められるものも、後天的なもので遺伝性はないようです。
骨髄異形成症候群の発症時の症状は乏しく、無症状かあるいは赤血球の低下により慢性の貧血を起こします。
白血球減少による感染症の合併、血小板減少による出血傾向が見られますが、血液検査で白血球減少、血小板減少、汎血球減少が偶然発見され骨髄異形成症候群の発症を知ることが多いようです。
骨髄異形成症候群は、白血病化が最も重要な合併症で高リスク群に分類されるタイプでは高い確率で急性白血病へ移行し、急性骨髄性白血病に多くがなります。
唯一の治療法は同種造血幹細胞移植なのですが、現在移植の適応は50〜55歳以下に限られていますが、造血幹細胞移植に伴うGVHDなどの合併症の死亡率が無視できないため、リスクを検討しなければなりません。
移植以外では対症療法になり、免疫抑制剤が一部で有効であることが判明しており、シクロスポリンやATGが使用され、50〜60%の症例で有効のようです。
ビタミンKおよびビタミンD投与のビタミン療法が、骨髄異形成症候群の末梢血での血液細胞減少の改善や、病状の進行が遅らせられるという報告もあり、ほかの治療と併用して投与されています。
貧血症状、つまり、顔色不良、息切れ、動悸、全身倦怠感、脱力感、労作時の易疲労感、鼻血を繰り返す、歯肉出血が止まりにくい、軽度の打撲での紫斑(しはん)や点状出血、生理の量が増加、発熱しやすいなどの症状はありませんか。血液検査を定期的に受けるようにしましょう。